高校を卒業以来、親元を離れ、学生時代、就職、独身生活、新婚時代、子育て世代と普通の幸せを享受させていただいている。子供が育っている分、自分が年をとり、親が老いていく。ごく当たり前のことであり、普段は何とも思わないが、時に一人で考える時間があるときに親のことが心配でたまらない。ずっと田舎で細々と暮らしてきた当家でなぜ、自分の代で全国転勤をする仕事を選んでしまったのだろう。縁もゆかりもない土地でお互いの親に頼ることができずに子育てと内職で頑張ってくれる妻にも申し訳ないと思ってしまう。便利な時代になったとは思う。SNSで地元のニュースや天気予報を容易に知ることができるし、テレビ電話で親に孫を見させることもできる。でもやっぱり、同じ時間を共有し、楽しいことも辛いこともわかちあえるのが家族の理想形なのではないかと思う。これからの時代、人口が減る分、消費は落ち込み、世帯収入の格差は広がる一方になるのは間違いない。平均収入は緩やかな下り坂になるのではないだろうか。高度経済成長期に誕生した核家族はその割合を減らすだろう。三世代同居、家族全員で田舎を離れ、住みやすい街に移住することもありえる。私は親元を離れて20年が経過したが、正直読み間違えた。親元で就職し、相互で助け合い、暮らしていくことが今からの時代を乗り越えるスタンダードになると想定している。ミュゼ うなじ